2010年9月21日火曜日

PRPを完璧に構築する必要はない

キューアンドシーの阿部です。




衛生管理構築のお手伝いをすると、「一般衛生管理もできていないからHACCPなんて入れられない」という声を聞きます。



でも、こういう考え方はどうでしょうか?



まず、ハザード分析をしてみる。
ハザード分析から実施する

何はともあれ、ハザード分析をしてみるのです。すると、CCPを設定するには、どうしても必要な衛生管理が見つかります。また取引先からの要求が多い衛生管理事項もあるでしょう。そこから実施していくのです。

たとえば、食品を扱う従業員からの汚染がかなりの頻度で予想されるのであれば、従業員の衛生管理から実施するのです。それも、ハザード分析で「ハザードが存在する」と明らかになった工程に関わる従業員から始めるのです。全員ではありません。そして少しずつ全体に広げていきます。

最初から「完璧にしよう」「全部やろう」と考えないことです。全体を把握して(ハザード分析をして)、必要なことから少しずつ初めて、8割できたら次に移られてはいかがでしょうか?



新しく事業を始める時や、工場を建てる時には、ハザード分析からではなく、PRPから構築する方が効率的ですし、そうすべきです。しかし、すでに稼働している場合には、「安全な食品」を製造することが優先されます。どんな方法を使っても、CCPが多くなっても、施設が古くても、「安全」が第一です。ですから、ハザード分析で押さえるべき最後の砦だけは、押さえるのです。それから、ゆっくり少しずつ効率の良い衛生管理を構築すれば良いのです。

この方法でもしっかりHACCP手法を導入していることになります。

8割できれば次へ

一般衛生管理から構築し始めたとしても、完璧に構築することはできません。求められる衛生基準は年々変化しますし、製造システムも変化します。消費者の要求も変化します。それらを全てに対応する完璧なPRPは何年たっても構築できません。完璧を求めるよりも、ハザード分析を実施して、最後の砦を作ってしまった方が「安全」です。



8割までやる。野口悠紀雄氏が「超」勉強法で書いています。何事も完璧にやろうとすると前に進めなくなってしまいます。



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