2010年7月20日火曜日

CCP(重要管理点)と金属探知機

キューアンドシーの阿部です。

北海道でも食中毒警報が頻繁に出される季節になりました。食品を取り扱う時は「つけない」「増やさない」「殺す」を徹底しましょう。
さて今日のテーマですが、、、、、、、、。


一つの製品の製造ラインに複数の金属探知機が設置してある場合、その全ての金属探知機をCCPにしていませんか?

できあがったハザード(危害)分析結果表を見直してください。全ての金属探知機がCCPになっているハザード分析結果表は、「間違っている」と言えます。


重要管理点は何のために設定するのか


HACCPは、管理するポイント(点)を絞り込み、そこに管理を集中させることによって、効率的に食品の安全を確保することが目的です。

でも、「加熱工程はCCP」、「金属探知機はCCP」のように重要管理点(CCP)を固定してしまうことがあります。すると、金属探知機が何台もある場合、全てをCCPにしてしまうのです。いくつもCCPがあると、管理が複雑になります。

それでは効果的なHACCPは構築できません。

どの工程が最後の砦なのか

CCPとは、「最後の砦」です。『この砦が陥落してしまうと、負ける。』、その砦です。だから、一つのハザード(危害要因)には一つのCCPしかないのが原則です(あくまで原則です。例外もあります)。

(一つのハザードに対して一つのCCPとは、たとえば、金属異物に対して一つ、硬質異物に対して一つ、黄色ブドウ球菌に対して一つ、非耐熱性菌に対して一つ、農薬に対して一つ、という感じです。)

そして陥落させてはいけない砦では、兵士を増やして、常に監視して・・・・、という風に、管理を強化するはずです。それがCCP・重要管理点です。

金属探知機の例に戻ると、製品に金属片が混入していることを探知する最後の砦があるはずです。その最後の砦をCCPに設定すれば良いのです。金属探知機より高性能な異物除去システムがあればそれがCCPになる場合もあります。金属探知機=CCPとは限りません。

どこが最後の砦なのか、工程の途中にあっても、工程の始めにあっても「最後の砦」になることはあります。最後にあるから「最後の砦」ではありません。絶対に落とせないから最後の砦です。


あなたのハザード分析結果表では最後の砦をCCPにしていますか?


おまけ
ISO22000の考え方を取り入れると、CCPが最後の砦とは限らない?!


ISO22000にはCodexHACCPにはない「OPRP」があります。このOPRPがあるために、CCPが最後の砦とならない場合があるのです。その辺については次回、お話します。


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