2010年8月2日月曜日

OPRPを設定するとCCPが最後の砦とはならないことがある

キュー・アンド・シーの阿部です。



前回はCCPが最後の砦だとお話しました。しかしISO22000に特有の「OPRP」を設定すると最後の砦がCCPとはならない場合についてお話します。


  1.  タイムリーで連続なモニタリングができない(しない)場合
  2.  一般衛生に関する管理が非常に重要な場合

タイムリーで連続なモニタリングができない(しない)


最後の砦がCCPとはならないと言っても、やはりCCPは最後の砦なのです。でもそれは必要十分条件ではないのです。『CCPならば最後の砦』であっても『最後の砦ならばCCP』とはならないという事です。なぜなら最後の砦であってもCCPにできない制限があるからです。

さて、CCPに設定できる管理手段とはどのような管理手段なのか、ちょっとおさらいしてみます。

CCPとすることができる管理手段の条件


  1. 判定可能な基準が設定でき
  2. モニタリングがタイムリーにできる
  3. 食品をモニタリングできる
  4. 環境や従業員の管理ではない


このようにCCPに設定できる管理手段にはいくつかの制限があります。本当はCCPに設定して管理したかった最後の砦なのに、技術的にタイムリーなモニタリングできないためにCCPとしていな場合があったのです。でもOPRPにはCCPと違って、制限が少ないのです。

OPRPは・・・


  1. 許容限界を設定しなくてもよい
  2. タイムリーにモニタリングできなくてもよい


もちろん、モニタリングは必要なので、何らかの基準があった方が管理しやすいですが、必須ではありません。今までCCPにできなかった重要な管理点をOPRPとして管理することができるようになったのです。ですから、このような場合にはCCPではなく、OPRPが『最後の砦』となります。

もう一つ、これと逆の例もあります。工程の管理技術的に安定しているので、タイムリーなモニタリングは不必要で、設備の保守点検だけで管理できる場合です。
例えば、最後の砦として、最新技術を導入した砦を築いた。最新鋭なので常時ヒトを配備しておく必要がなく、定期的にデータを確認し保守点検を行うだけで十分だ。それでも最後の砦だからと敢えてヒトを配備するでしょうか?そんな無駄なことはしないでしょう。これと同じことがCCPとOPRPにも言えます。


CCPではなくてOPRPにする


  1. 許容限界の逸脱が起こらないような運用限界を設けている
  2. 工程が安定しているので、許容限界逸脱が起こらない
  3. システムの保守点検で維持できる


以上の様な場合には、これまではCCPとしていた工程をOPRPにして、タイムリーで連続的なモニタリングから、非連続的なモニタリングに変えることができます。すると最後の砦がOPRPになると言う訳です。

以上2つの例はモニタリング技術からのCCPとOPRPでしたが、CCPとOPRPにはもっと大きな違いがあるのです。その違いから「CCPはないけれどOPRPはある」というHACCPシステムができあがります。それについては次回・・・。

再び専門用語が多い話になってしまいました・・・・。

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