ハザード分析をすると、「SSOPで管理できる」と書くことが頻繁にあります。でもSSOPはハザード分析表に書くための単語ではありません。
ハザードを管理するためのSSOPが整備されているから、SSOPで管理できると書くことができるのです。
定義をしっかりと
SSOPとは日本語では「衛生標準作業手順」と訳されています。「いつ、どこで、だれが、何を、どのようにするか」を明確にするためのものです。さらにSSOPは一般的に文書にします。文書を作成するかしないかは、どのようなHACCPの基準に基づいてシステムを導入するかによります。
大日本水産会の水産食品加工施設HACCP認定制度(国内認定)やFDAのHACCP規則に従う場合はSSOPとは何なのかが、はっきりと定義されています。
ISO22000ではSSOPは定義されていません。ですから、ISO22000を導入するときに「SSOP」を使う
となると、新たに語句の定義をする必要があります。
FDAの定義ではSSOPはあくまでもハザードの「汚染」を防止するための管理手段です。ハザードの増殖防止のための「冷蔵庫の温度管理」はSSOPではありません。
では、FDAのSSOPとは何でしょうか?
- 文書を作成しなければならない
- モニタリングしなければならない
- モニタリング結果を記録しなければならない
- 問題発生時の対処について記録しなければならない
そして、SSOPに定める内容は8項目です。
- 食品そのものに接触する、あるいは食品が接触する設備類の表面に接触するう可能性のある水、ならびに氷の加工に使用する水の安全性
- 器具類、手袋、作業衣を含む、食品が接触する設備類の表面の状態及び清潔度
- 非衛生的な物体による、食品、食品包装容器及び食品が接触する設備類の表面に対する交差汚染、ならびに生鮮ものから加熱済み食品に対する交差汚染の防止
- 手洗い設備、手指の殺菌設備及びトイレ設備の清潔度維持
- 機械油、燃料、農薬、洗浄剤、殺菌剤、ほこり、結露、もしくはその他の化学的、物理的あるいは生物学的汚染要因による、食品、食品包装容器及び食品が接触する設備類の表面に対する汚染の防止
- 化学物質の適正な表示、保管ならびに使用
- 食品包装容器及び食品が接触する設備類の表面に対する微生物学的汚染をもたらす可能性のある従業員の健康状態の管理
- 食品の取り扱い施設からの有害動物の駆除
(参考:大日本水産会 水産食品加工施設HACCP認定基準)
このように、SSOPとは何なのかを明らかにしなければ、この単語を使う人それぞれが勝手な理解をすることになります。SSOPに限らず専門用語を使う時は語句の定義を明確にする必要があります。
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