2010年7月12日月曜日

ハザード(危害要因)分析で必要な3つのハザード

キュー・アンド・シーの阿部です。



ハザード分析ではハザードがなくても3つのハザードを挙げる

HACCPの知識がある方は「当たり前だ」と思うかもしれませんが、3つ全てのハザードが記載されていないハザード(危害)分析結果表を見ることがよくあります。

ハザード分析結果表例
このハザード分析結果表例の場合、
「2副原材料の受入」の所には、生物学的ハザードと物理的ハザードしか記載されていません。
化学的ハザードが記載されていないのです。

「2添加物の受入」には化学的ハザードしか記載されていません。生物学的ハザードと物理的ハザードの記載がありません。


「3つのハザードを必ず挙げる」とは、
  1. 生物学的ハザード
  2. 化学的ハザード
  3. 物理的ハザード

この3つを必ず挙げることです。
生物学的ハザード・物理的ハザードの2つしか記載されていないハザード分析結果表があります。

化学的ハザードは「なし」だから記載していないのだと思いますが、それでは、「明確になっている」とは言えません。「化学的:なし」の記述が必要なのです。

「この工程には金属片混入の可能性があるね。だから物理的ハザードはあるね」ではなく「この工程での生物学的ハザードは何だろう、化学的ハザード、物理的ハザードはあるだろうか」と考えることです。

ハザードから出発する

繰り返しますが、「原材料の野菜には農薬が含まれるはずだから、化学的ハザードがあるね」ではありません。「原材料の野菜の化学的ハザードは何だろう」です。出発点が違います。ここを間違ってしまうと、明確にしなければならないハザードを見落としてしまいます

過去の自工場の情報を元に、可能性があるハザードだけを列挙していく方法では、自工場で発生していなければ、ハザードとして挙がってこなくなります。でも自工場では発生していなくても、他工場ではあるかもしれません。他工場の情報も含めてハザード分析しなければ、ダメです。


他工場で発生した食品事故の原因は、自工場でもその食品事故の原因を保有している可能性があります。可能性があるものは全て明確にして記録するのです。そうすることで、「可能性のあるハザードをどのように管理しているのか」が明確になり、「何となく管理できている」「無意識に管理できている」状態から抜け出すことができます。

「何となく管理できている」「無意識に管理できている」は「管理できていない」と同じことです。理論的に証明・説明できないものは「無い」と同じことです。だから、3つのハザードを全て挙げる必要があるのです。

なければ、

化学的:なし

のように「なし」と書けばOKです。


他工場で過去にどのような事例があったのか、自工場の製品で考慮しなければならないハザードには何があるのか、と言った情報は、常に情報収集していなければ得ることができません。様々は工場を知っている必要があります。

海外から出される情報もあります。学会に参加しなければ得られない情報もあります。

手取早く情報を得るためには、HACCPコンサルタントのような専門家に相談することをお勧めします。


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