ハザード分析ではハザードがなくても3つのハザードを挙げる
HACCPの知識がある方は「当たり前だ」と思うかもしれませんが、3つ全てのハザードが記載されていないハザード(危害)分析結果表を見ることがよくあります。
ハザード分析結果表例 |
「2副原材料の受入」の所には、生物学的ハザードと物理的ハザードしか記載されていません。
化学的ハザードが記載されていないのです。
「2添加物の受入」には化学的ハザードしか記載されていません。生物学的ハザードと物理的ハザードの記載がありません。
「3つのハザードを必ず挙げる」とは、
- 生物学的ハザード
- 化学的ハザード
- 物理的ハザード
この3つを必ず挙げることです。
生物学的ハザード・物理的ハザードの2つしか記載されていないハザード分析結果表があります。
化学的ハザードは「なし」だから記載していないのだと思いますが、それでは、「明確になっている」とは言えません。「化学的:なし」の記述が必要なのです。
「この工程には金属片混入の可能性があるね。だから物理的ハザードはあるね」ではなく「この工程での生物学的ハザードは何だろう、化学的ハザード、物理的ハザードはあるだろうか」と考えることです。
ハザードから出発する
繰り返しますが、「原材料の野菜には農薬が含まれるはずだから、化学的ハザードがあるね」ではありません。「原材料の野菜の化学的ハザードは何だろう」です。出発点が違います。ここを間違ってしまうと、明確にしなければならないハザードを見落としてしまいます。
過去の自工場の情報を元に、可能性があるハザードだけを列挙していく方法では、自工場で発生していなければ、ハザードとして挙がってこなくなります。でも自工場では発生していなくても、他工場ではあるかもしれません。他工場の情報も含めてハザード分析しなければ、ダメです。
他工場で発生した食品事故の原因は、自工場でもその食品事故の原因を保有している可能性があります。可能性があるものは全て明確にして記録するのです。そうすることで、「可能性のあるハザードをどのように管理しているのか」が明確になり、「何となく管理できている」「無意識に管理できている」状態から抜け出すことができます。
「何となく管理できている」「無意識に管理できている」は「管理できていない」と同じことです。理論的に証明・説明できないものは「無い」と同じことです。だから、3つのハザードを全て挙げる必要があるのです。
なければ、
化学的:なし
のように「なし」と書けばOKです。
他工場で過去にどのような事例があったのか、自工場の製品で考慮しなければならないハザードには何があるのか、と言った情報は、常に情報収集していなければ得ることができません。様々は工場を知っている必要があります。
海外から出される情報もあります。学会に参加しなければ得られない情報もあります。
手取早く情報を得るためには、HACCPコンサルタントのような専門家に相談することをお勧めします。
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