2010年7月5日月曜日

ISO22000が取得できてもHACCPは構築できていない?!そんなバカな?!

キュー・アンド・シーの阿部です。

今回は5Sから離れて、ISO22000のコンサルタントを選考中の方にちょっとした情報です。


実は、ISO22000が取得できてもHACCP構築は不十分、というおかしな話についてです。


ISO22000はISO9001に比べて取得企業も少なく、食品業界は中小企業も多いので、うなぎ登りに取得企業が増えているわけでもありません。


そんな事情もあり、ISO22000のコンサルタントの中にはHACCPを知らない方、食品に詳しくないコンサルタントもいます。何故でしょう、HACCPを知らずになぜISO22000のコンサルティングができるのでしょうか?


それは「ISO」だからです。



「ISO22000はISO9001とHACCPを組み合わせたものだと考えても良い」という説明がありますが、これは完全に間違っているとも合っているとも言えません。


だからISO9001のコンサルタントが「HACCPの勉強をするだけだ、マネジメントシステム構築の経験は十分にある」、「同じ製造業なら機械製造業も食品製造業もコンサルティングできる」とISO22000のコンサルティングを始めるのです。


しかしそのコンサルタントはISO9001のプロでも食品を知りません


例えば、食品がどういう組成で、どんな環境で生産され、そしてどのように製造加工されてきたか。食品は年・季節・日時により変わり、土壌や水域・海域・畜種などにより、潜んでいる微生物や化学薬剤、異物など常に変化する、などです。


食品が置かれている、極めて複雑な環境から、微生物の状況を知り、さらに化学物質の分析も必要となり、それらをHACCPの原則や手順で分析や構築をしない限り、食品安全のHACCPは構築できないのです。


ですから、それらの知識経験を持たないまま作ったHACCPシステムに、ISO9001のマネジメントを入れても食品の安全にはつながりません。


さらなる問題が、その食品に特徴的な微生物の性質を知らないISO22000の審査員がいると言うことです。そうなると、「コンサルタントも食品を知らない。審査員も知らない。 できあがったシステムはHACCPとは別物になる」これはISO22000を取得した企業にとっては不幸としか言いようがありません。


簡単に早く安くできたISO22000は食中毒さえ予防してくれないものになってしまうこともあるのです。


審査員に関する情報があまり公開されていないので、審査員を選ぶことは難しいですし、途中で替えてもらうことも、なかなかできませんが、コンサルタントは途中で変えることも、選ぶことも情報さえ集めれば、簡単にできます。


ISO22000を効果的に運用したいと考えている企業の方は、是非食品に精通しているコンサルタントを選んでください。ISO9001もISO22000もHACCPも十分に熟知しているコンサルタントの方もいらっしゃいます。コンサルタントを選ぶ場合は、良く情報交換をして、どんなISO22000を構築するつもりなのか食品に関してどんな経験があるのかHACCPについてどれくらい経験があるのかを確認しましょう。「同じ業種でISO9001コンサルティングしました」は危険です


気に入って頂けましたら、応援お願いします。

にほんブログ村 料理ブログ 食の安全・食の基礎知識(料理)へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿