2010年10月12日火曜日

食品工場の5Sって? 清掃編

現場で働く従業員への5Sの教え方には、いろいろな方法があります。目的を相手に伝えることもその一つです。「常識」だと思っていることでも、意外とわかっていないこともあるのです。

ここで少し頭を整理してみましょう。

衛生管理の5Sの目的とはなんでしょうか?

あなたの考えは的はずれになっていませんか?






食品工場では清掃が一番重要


食品工場にとって、「清掃」が一番重要です。例え整理整頓出来ていなくても、清掃だけは欠かすことができません。なぜなら、清掃は食品安全に直結するからです。清掃しないで、工場に残った食品カスは、食中毒菌のエサになります。

そして食中毒菌はどんどん増えます。
すると、工場全体に食中毒菌がはびこり、工場で作っている食品を汚染するまでになります。


こんな場面を想像してみてください。

男子学生が一人暮らしをしています。こたつを中心に居住空間が形成され、こたつから出なくても手が届くようにモノが配置されています。その結果、足の踏み場もありません。いわゆる散らかっている状態、整理整頓ができていない状態です。

そんな彼が、お腹が空いたのでインスタントラーメンでも作ろうかと思い、台所に立つとやはり散らかっています。昨日使ったお皿はそのまま、鍋もそのまま。仕方なくその汚れた鍋で調理を始めました。

なんてことはありませんよね。
使う前にまず洗います。使って直ぐには洗わなくても、いつかは洗います。カビが生えたままの鍋を使うことはありません。さらにカビだらけのスポンジで鍋を洗うこともありません。

これが食品工場の清掃に当たります(最近は洗浄と殺菌を加えて7Sもありますが、ここでは清掃に洗浄・殺菌を含みます)。


農作業で使うシャベルは手入れをしないとすぐに錆びます。でも錆びたままでも使えます。だから清掃は二の次になってしまいます。

でも食品の場合、清掃を後回しにすると食中毒が出ます。

加熱していない豚肉を切ったまな板でそのまま刺身を切ると、豚肉に付いていた食中毒菌が刺身に移行します。刺身は生で食べるので、食べた人は食中毒になります。

だから、食品工場では何はともあれ清掃なのです。


一般的な工場での清掃には、「清掃することで機械が長持ちする」「清掃することでヒトが成長できる」など精神論的な発想もあるようですが、食品工場では「清掃してキレイにする」が第一の目的です。安全な食品を作るためにはキレイな工場な必要なのですから。

清掃なくして食品安全なし!!

でも、清掃にも経費がかかるので、手抜きをしがちです。

そこで来週は、「経費削減のための整理整頓」についてです。

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