キュー・アンド・シーの阿部です。
この商品はレトルトパウチみたいな包装だし、真空パックだから、冷蔵庫に入れなくても長持ちする。
と思う消費者の方がいるので、要注意です。というお話です。
レトルトや缶詰を製造されている方は、良くご存じの微生物ですが、冷凍製品や真空パックをしない包装の食品を製造されている方には、なじみの薄い微生物です。
「空気をなくせば、微生物が増えない」となんとなく考えると危険です。例えば、鮭の瓶詰め。常温で保管することもあると思いますが、表示はどうなっていますか?「要冷蔵」となっていませんか?
空気がない状態で増える微生物がいます。
空気をなくして冷蔵保存すると、その微生物でも増えません。だから冷蔵保存と真空パックの組合せは食中毒的にも品質的にも効果的です。
空気がない状態で増える微生物とは「ボツリヌス菌」と言います。他にも空気がなくても増える菌はいますが、これは猛毒を生成するので要注意なのです。
この菌は熱に強く、空気がないところで増えます。
いわゆる「レトルト殺菌」するとやっと死滅する。
ハチミツを1歳未満の子どもに与えてはいけないのはこの「ボツリヌス菌」がハチミツに存在する可能性が高いから。
大人は大丈夫。
少量のボツリヌス菌を体内に入れても、体内で菌が増殖することはないけれど、腸内細菌の少ない幼児だとボツリヌス菌が増殖して毒素を生成してしまいます。
このボツリヌス菌の毒素は、自然界に存在する毒素としては最強と言われています。青酸カリの比ではありません。
生物兵器としての開発も行われたくらいです。
食中毒は、海外でソーセージやハム、日本では飯寿司や辛子れんこんで発生しています。ソーセージに亜硝酸塩が入っているのは、発色目的よりも食中毒予防の効果を狙ったものでした。今は冷蔵設備が家庭でも充実しているので、要冷蔵のソーセージであれば亜硝酸塩が入っていなくても、大丈夫です。
真空パックの常温保管には十分注意が必要です。もし、そんな商品を開発中であれば、表示には十分注意してください。
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