キュー・アンド・シーの阿部です。
「製品検査を実施して安全を確認しています」
安全管理を徹底しているように見えますが・・・・。実は落とし穴があります。
過去に起こった食中毒事件でも、「製品検査で異常がなかったから、出荷した」と言っていましたが、結果的には、ブランドそのものがなくなってしまいました。
「製品検査で食中毒菌が検出されなければ、食中毒は起きない」は大きな間違いです。
熱に強い毒素は、微生物が死んでも残る
「板垣死すとも自由は死せず」ではないですが、「菌は死んでも毒素は死せず」です。
先ほどの食中毒事件の原因となった「黄色ブドウ球菌」はこの典型的な例です。
その時はこんな感じでした。
製造ラインでトラブルが発生した後に、原材料の微生物検査をすると一般生菌数が基準値を超えていました。
そこで再加熱すると、一般生菌数は基準値以内になったので、これで安全だと思って出荷しました。
でも、この製品には熱に強い毒素が存在していたのです。加熱しても無毒化できない毒素が。黄色ブドウ球菌が増殖した段階で毒素が生成されているので、もう、その原材料は使えないのです。
製品検査に頼りすぎていませんか。
製品検査は安全性を100%保証するものではありません。
検査したその製品に、微生物がいないことだけしか保証しません。
だから原材料のハザード分析は耐熱性菌と非耐熱性菌に分けるのです。
増殖させてはいけない菌、増殖させると制御できない菌が存在することをハザード分析で明確にしておけば、冷蔵保管の管理がどれほど重要な位置づけか、おわかり頂けるでしょう。
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