2011年4月11日月曜日

外部コミュニケーションを確立し、実施し、維持することの意義

なぜ、外部コミュニケーションについて要求しているのか?
今回の震災で実感した、外部コミュニケーション維持の重要性

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外部コミュニケーションとは
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まず、外部コミュニケーションとは何かを整理します。


  • 食品安全は「農場から食卓まで」全体で維持しなければ、達成できない
  • だから、企業内だけでなく外部と情報をやり取りすることが重要である
  • だから、そのための手続を確立する


これが、外部コミュニケーションです。

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外部コミュニケーションはISO9001では要求事項がない
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ISO22000では5.6のコミュニケーションに関する要求事項の中に、5.6.1外部コミュニケーション、5.6.2内部コミュニケーションの二つがあります。
ISO9001では「外部コミュニケーション」という項はありません
それだけ、食品安全では食品製造に関わる全体を重要視しているといえます。

では、今回の震災で何を実感したのか、あるお客様のお話です。

地震による直接の影響がなかった札幌市周辺でも、地震直後、ある事が問題になりました。
それは・・・・



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「本州からの物流が停まってしまった」
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震災により太平洋側のJR貨物、フェリーが全てストップしてしまったのです。

本州から仕入れている原材料が供給されないかもしれない。
同じスペックの製品を作っている道内企業から代替品を購入する必要があるかもしれない。

早く情報を取らなければ!!!
急いで確認しなければ!!!

では本州から仕入れている原材料は何か?

原材料の種類が少なければ、取引先は頭に入っているでしょう。
でも、種類が多ければ?
調べなければわかりません。

その時に役に立ったのが、「取引先一覧表」でした。

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取引先の詳細が書いてあった「取引先一覧表」
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この取引先一覧表は、企業名と住所、電話番号等が書かれた一般的な住所録とは違いました。
外部コミュニケーションを確立する手段として作成した一覧表でした。
自社の食品安全に関わる取引先を抽出するために作成したので、取り引きの内容まで記載していました。

と言うわけで、どんな原材料やサービスを本州方面から購入しているかを、すぐに調べることができたのです。
情報収集のための調査時間・労力が大幅に短縮されたので、すぐに対策を立てることができました。



その担当者の言葉です。

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「この一覧表があって本当に助かった」
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これが住所録だけだと、本州にある企業は見つかっても、何を購入しているかはわかりません。

さらにエクセルの電子データで作成していたのも良い点でした。
要は住所欄で並び替えをすれば所在地毎に見ることができたのです。
古い住所録で紙媒体管理だと、企業名が「あいうえお」順に並んでいるので、本州の企業だけをすぐにピックアップすることはできないでしょう。


滞りなく情報・物が動いているときには、「経路」の重要さがわかりません。
物の流れが停まって初めて、
トラック輸送なのか、
JR貨物輸送なのか、
フェリー輸送なのか、
空輸なのかを問題にするようになりました。

そして、どこから情報を取らなければならないのかが重要になりました。

今回は「震災」だったので、お客様も「震災の影響で・・・」と言えば納得してくれたと思います。
でもこれが、個々の企業の問題だったら?
「そんな無責任な会社とは取引しない」となるでしょう。

今、問題として取り上げられている、放射性物質による食品の汚染についても、外部から正しい情報を入手して、安全な食品を製造していきましょう!


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