ISO22000は全てのフードチェーンに適用できるので、製造業だけでなく、大量調理施設・飲食店、食品工場用洗剤メーカー等にも適用できます。
でも、単一商品を大量に作る食品製造業の考え方を、多数商品を少量ずつ作る飲食店にそのまま当てはめると、飲食店ではHACCPはできません。大量調理施設ともまた違います。それぞれにHACCPを導入する時は、製造業HACCPの固定観念を壊さなければなりません。
中心温度を測る
大量調理施設衛生管理マニュアルには、揚げ物の加熱の場合、以下のような記述があります。
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- 油温が設定した温度以上になったことを確認する。
- 調理を開始した時間を記録する。
- 調理の途中で適当な時間を見はからって食品の中心温度を校正された温度計で
3点以上測定し、全ての点において75℃(二枚貝等ノロウイルス汚染のおそれ
のある食品の場合は85℃)以上に達していた場合には、それぞれの中心温度
を記録するとともに、その時点からさらに1分以上加熱を続ける。
- 最終的な加熱処理時間を記録する。
- なお、複数回同一の作業を繰り返す場合には、油温が設定した温度以上であることを確認・記録し、1~4で設定した条件に基づき、加熱処理を行う。油温が設定した温度以上に達していない場合には、油温を上昇させるため必要な措置を講ずる。
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揚げ用の釜が大きくて一度に何個もの揚げ物をつくる場合には、そこから3点の中心温度を測定しても影響は少ないでしょう。しかし、小さな釜で数個の揚げ物を作る飲食店で、3点の中心温度を測ることはできません。商品がなくなってしまいます。
では、どうすれば良いのでしょうか?
揚げ物がどういう状態になったら、中心温度75℃1分の加熱したことになるのかを確かめるのです。それは、揚げ色かもしれません。揚がった後の大きさかもしれません。揚げ油の温度、揚げ時間かもしれません。
この「状態」をルールにして、揚げ担当者に教えます。とことん教えます。そして時々「確認」も必要です。「ルール」に従えば、本当に75℃1分加熱を達成できているのか、を確認するのです。
ISO22000の語句を使うと、最初のルール作りのための確認を「妥当性の確認」と言い、時々行うルールの確認を「検証」を言います。
「加熱はCCPだから、中心温度を測らなければならない」これが固定観念です。これを飲食店に適用させようとすると、「HACCPはできない」になります。
HACCPは、「ハザード分析(危害分析)をして、重要な管理点を特定する。そして重要な管理点を、重点的に管理する」のがHACCPです。
固定観念を捨てて、基本に戻りましょう。
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