2011年6月15日水曜日

生食用にできない「もやし」、なぜかわかりますか?

富山県等のO-111、ドイツのO-104と、このところ「大腸菌」による食中毒が相次いでいます。今年は食中毒に注意の年なのかもしれません。

さて、ドイツのO-104の原因として「もやし・スプラウト」が考えられているようです。

日本では「もやし」は生で食べません。なぜでしょう?

それは微生物に汚染されているからです。
スーパーで売られている「もやし」はかなりの確率で「大腸菌」が検出されます(病原性はないもの)。希に、病原性のある大腸菌が検出されることもあります。

だからと言って、もやしが不衛生な環境で作られているわけではありません。
もやしは栽培中に病気が発生しやすいので、施設の殺菌が大切です。ですから、露地栽培している野菜よりも微生物の少ない環境で栽培しています。

もやしの「種子」の殺菌、栽培施設の殺菌、使用水の殺菌。これで、微生物が検出されない「もやし」が栽培できるはずなのです。

現実と理論とは違う

確かに「もやし」の栽培環境は「微生物」にも適した環境です。

でも栽培前に殺菌しています。

栽培前に殺菌した
「種子」
「施設」
「水」
を検査しても微生物は検出されません。

しかし、「もやし」の成長と共に微生物もどんどん増えるという検査結果が出るのです。

どこかに微生物が潜んでいるとしか考えられません。簡単には殺菌できない所、検査では出てこない所に微生物が隠れているのでしょう。

もしかすると、完全無菌室で栽培すれば微生物の検出されない「もやし」ができるかもしれません。でも、「もやし」の価格は安いので、そんなにお金はかけられません。

だから、加熱用の食材でいいのです。

科学的な根拠に裏付けされたハザード分析が重要

何が言いたいのか、それは、「ハザード分析が重要だ」ということです。

ハザード分析には必ず裏付けとなる科学的な根拠が必要です。


栽培前殺菌後の検査、栽培中の検査、栽培後の検査がハザード分析の裏付けです。

そして、最終結論として「意図した用途」を「加熱用」としているのです。

もし、ハザード分析を理論だけで終わらせると、「生食可能なもやし」ができます。
種子の殺菌がCCPになるのでしょうか・・・・・・?
施設の殺菌がOPRP?
そして、サラダで「生もやし」を食べた消費者が食中毒になるのです・・・・・。

これと似たようなことが、生食用食肉にも言えます。

ハザード分析というと、表を埋めるだけのように感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、机上の空論で終わらせると大変なことになります。


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