2011年7月1日金曜日

ベビーフードに「何ヶ月頃」と書かれているワケ

キュー・アンド・シーの阿部です。

2週連続で「意図した用途」についての話でしたが、今週も「意図した用途」の話です。


  1. 営業上に不利益にならないように記述する。
  2. 自社を守るために記述する。


このどちらを選ぶかによって、意図した用途の記述内容が変ってきます。

5ヶ月頃、9ヶ月頃

例えば、赤ちゃん用のベビーフードの場合、「意図した用途」を「5ヶ月頃から」とか「9ヶ月頃から」と非常に細かく設定しています。このように細かく設定した方が、利用者が商品を選択しやすくなり、営業上も有利になります。

また、9ヶ月向けの商品を5ヶ月の子供が食べた場合は、粒が大きくて飲み込めず喉に詰まるなどの問題が生じる恐れがあります。よって、営業上に有利にするために、かつ自社を守ることができるように詳細な記述をしているのです。

一般消費者の・・・・・・

一方、一時期問題となっていた「こんにゃく入りゼリー等」の場合、意図した用途を「一般消費者」として、小さな子供から大人まで幅広い層をターゲットとし営業上に不利にならないようにしていたと考えられます。(現在はパッケージに注意喚起の表示があり、小さな子供や高齢者へ食べさせないようにとしています)。


販売場所としては約半分が「菓子売場」で販売。焼き菓子やゼリー類等と一緒に販売されていることが多く、菓子以外と販売されているのは12%にとどまる。キャラクター付き菓子や駄菓子等が周辺にある売り方が13%あり、子どもにとってお菓子と認識しやすい環境であったとされています。しかし、販売場所として20%がバランス栄養食品・健康食品売り場で販売していました(消費者庁研究会報告書より)。

お菓子でもあり、栄養食品でもある。その方が売りやすいですから。

どうしてそんな食べ方をするの?

  1. 営業上に不利益にならないように記述する。
  2. 自社を守るために記述する。


どちらを選ぶかによって、記述の内容が変るのがわかりましたか?

自社を守るために、極力注意を払って記述する場合も当然ですが、特に営業上に不利益にならないように記述する場合は、意図しないが当然予想される誤った取扱・誤使用を考慮する必要があります。

これもISO22000に要求事項があります。


レトルト食品ではないけれど、レトルトパウチ様の包装だったのでレトルトだと思って常温保管されて未加熱で食べた。

日本のジャムは低糖度だけれど、ジャムは元々保存食だからと常温に置いておいたらカビが生えた。

スーパーで売っている鶏肉ささみは加熱するものと思っていたら、刺身で食べた。


などなど、意図した用途とは異なる、誤った使い方をされることは多々あり、その都度事件が起こっています。

当然予想される誤った取扱・誤使用、気を付けてください。

一番重要なのは、商品を確実に安全に取り扱うために気をつけなければならないことを、消費者が理解できる内容で、真摯に伝えることだと思います。

意外と奥が深い、意図した用途の記述でした。


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